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Author:しま・しましま
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しま・しましまです。
2014年冬から短歌を始めました。
主にうたの日とツイッターで短歌をしてます。
コメントとかすごくよろこびます。

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うたの日(3月9日「恐竜」)


3月8日のうたの日は「ぐちゃぐちゃ」「掛」「軍」「罫線」でした。
わたしは「罫線」で出したんですが、
投票は出来なかったので、
自作だけ
「罫線」
細すぎるキャンパスノートの罫線じゃ支えきれない春昼の文字(しま・しましま)

3月9日のうたの日は「ノック」「個」「恐竜」「なし」でした。

「恐竜」
塩化ビニールラバーアンバーいつまでも恐竜たちを樹脂に固めて(しま・しましま)
樹脂と恐竜って相性いいなって思って詠んだうた。
塩ビとかラバーは形を模したおもちゃ、
アンバー(琥珀)はDNAが閉じ込められている可能性、
どれも本物の恐竜そのものではないけども。

ハートを入れたうた。
WPPさんの
恐竜を時代遅れと言うきみに語りたいカンブリア紀の愛
「恐竜を時代遅れと言う」って
めちゃ面白いなって思って、
もうそれだけでハート入れてもいい
って思っちゃいました。
それはもう、たしかに恐竜は時代遅れです。
恐ろしく時代遅れ。
もしかしたらこのうたの中の「きみ」は、
流行のアイテムとしての「恐竜」が時代遅れって
そう言ってるのかも知れません。
振り返ってみると、
たしかにちょいちょい恐竜ブームは来てました。
古いところだとヴィクトリア時代。
コナン・ドイルの「失われた世界」の時代です。
わたしの好きな児童文学に
女性の化石発掘家メアリー・アニングの少女時代を描いた
「海辺のたから」
って本がありますが、
これもそういえばその時代。
彼女は12歳でプレシオサウルス、イクチオサウルスの化石を発掘して
世界的に有名になった人なんですが、
その化石も、ドイルによる恐竜ブームが後押ししてくれたから
商売として成り立ったんでしょうね。
そして、その後もちょいちょいブームが来てるはずですが、
やっぱり新しいところだと
映画「ジュラシック・パーク」からの90年代恐竜ブーム。
この映画ももとを辿るとコナン・ドイルに行き着くわけですが。
まあとにかく、
この「きみ」は、
この90年代の恐竜ブームを念頭においての
「恐竜を時代遅れと言う」
なんだと思います。
さらにこのうたが面白いのは、
そこで恐竜のいた時代の愛を語るんじゃなくて、
それよりも、もっともっと古い時代の愛を語りだすところ。
「カンブリア紀の愛」ですよ。
まだやっとこ原始的な生物から進化したばかり
(っていっても恐ろしく長い年月があるんですが)
昆虫とか軟体動物とか節足動物とか、
爬虫類とか出てきてますかね、まあそんな感じ。
その頃に比べれば確かに恐竜の時代は新しい。
主体の古代愛が爆発してる感じがたのしいうたでした。

音符を入れたうた。
森下裕隆さんの
白亜紀の終わり少年期の終わり 滅びたものは愛しやすいね
このうたの下の句
「滅びたものは愛しやすいね」
には、わたし個人としてはあまり共感できなかったんですが、
そういう感覚もあるのかなって思います。
面白いなぁって思ったのは、
「白亜紀の終わり」と「少年期の終わり」を
同列に並べてあるところ。
「白亜紀の終わり」っていうと、
恐竜の時代の終わりですよね。
この大きな時代の区切りと、
「少年期の終わり」という、
傍目にはどこにその区切りがあるのか分からない、
超個人的な感覚の、
だけど超個人的にはとても大きな意味のある区切りを並べる
マクロとミクロ(というのは大袈裟かな)な感じ。

わらびさんの
同志だと信じてたのにティラノにも毛があったとか 隕石落ちろ
ティラノサウルスが実は羽毛ふわふわだったかも!
みたいな画像が出て、
みんなびっくりしたのはもうおととしぐらいの話ですが、
あれはホント衝撃的でしたよね。
キングオブ爬虫類みたいな姿で定着してたのが
根底からひっくり返されたみたいな。
いや、あれはあれでかっこよくて、
あれがティラノサウルスの真実の姿決定版!
というわけではないはずですが、
まだ何も恐竜については知らないことだらけなんだって
思い知らされたような感じでもありました。
そういえば、
他にも、同様にティラノサウルス羽毛ショックのうたを
詠まれてる方が複数ありましたね。
さて、このうたでは、
ティラノサウルスに羽毛が生えていた(かも)
というニュースを
受け止め切れないらしい主体。
「同志だと信じてたのに」
裏切られた感まんまんなところを見ると、
特に頭髪関係の親近感があったんでしょうか。
そういえば、
あの羽毛ティラノサウルスの画像、頭部ふっさふさでしたね。
で、このうたで一番面白かったのが、
結句の「隕石落ちろ」
っていう呪いの言葉。
いまさら!
っていうところがめちゃツボでした。

椋鳥さんの
本当のあなたがどんな姿でも好きでいるからティラノサウルス
このうたも、
前述したティラノサウルス羽毛ショックからの一首
と思います。
っていうか、ティラノサウルスの想像図って
どんどん変化してって、
もうこんなのわたしのティラノじゃない!
80c31225eadb3f9b9399a9f80560753acf8309141442149213.jpg
ってなってたりしますが、
このうたの主体は
「本当のあなたがどんな姿でも好きでいるから」
と、とてもけなげ。
恋する乙女のようなけなげさがいいなって思いました。

たかはしみさおささんの
風呂場から恐竜たちが飛びだしてゆく 足あとが成長してる
これはかわいい恐竜。
もう幼稚園なのに、もう小学生なのに、
まだ全然行動が幼いなって思う子供たち。
今もまた、風呂場からびしょびしょのはだかのままで
大騒ぎしながら飛び出していく。
(ここから妄想)
あーもう!
とか思って、
ちゃんと体を拭きなさい!パジャマ着なさい!
ホントに言わないとしないんだから、
いや、してやらないとダメなの?まだ?
みたいなことを思いながら
びしょびしょの床を拭いていて、
ふと、
床に付いた子供たちの足跡を見ると、
なんだ、もう随分大きくなってるじゃない……
って。
そういう情景を想像して、
ちびっこ恐竜さんたちのかわいらしさはもちろんのこと、
親としての心情にもほんわかしました。

のびさんの
カミナリを聞いた我が子が立ち上がり恐竜の声聞こえたと言う
それこそ恐竜ブームが現在来ているお子さんかな。
カミナリの大きな音を聞いて、
ハッ!がたんっ
「恐竜の声だ!」
ってなったんでしょうか。
めちゃかわいくてステキな連想だなって思いました。
うたの日にもコメントしたんですが、
うたには時間的なことが詠まれてないんですが、
夜の出来事って思いました。
夜って何かいろんなものを神秘的に思わせる
そんな気がします。
実はこのうたを見たとき、
レイ・ブラッドベリの短編「霧笛」をすぐに思い出しました。
毎年毎年、ある灯台の霧笛を仲間の声と思って、
遠くから一匹の恐竜がやってくる、
という話。
カミナリと恐竜の声は多分全然違うもので、
普段はお子さんもカミナリ=恐竜の声とは思わないんだろうけど、
夜の神秘性が、聞きたい音に聞かせてしまうのかも
とか思って、何かほろりとさせるうたでした。
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うたの日(3月7日「7音以上の名詞」)


3月7日のうたの日は「役」「ホーム」「蕾」「7音以上の名詞」でした。

「7音以上の名詞」
厳選を重ねてつくるシルバニアファミリーファミリーの終わらない春(しま・しましま)
昨日アップしたツイッターで遊んだお題募集のやつ、
あれが8音以上の名詞だったんですが、
その後すぐにこの
「7音以上の名詞」って題が来て
思わず飛びついてしまいました。
結果は置いといても、
楽しかった。
我が家ではお父さんはくま、
お母さんはきつね
子供たちはうさぎ
とか、家族がバラバラだったりしたんですよね。
シルバニアファミリー家族、
シルバニアファミリー一家
とか考えたんですが、
どうせ遊ぶんだったら
シルバニアファミリーファミリーって重ねてもいいかな
って。

ハートを入れたうた。
シュンイチさんの
ぼんやりと月夜あゆめばラスコーリニコフ心の路地に住むなり
「ラスコーリニコフ」
という長い名前。ロシア文学にうといわたしでも分かります。
ドストエフスキーの「罪と罰」の主人公の名前ですね。
このうたを読んで、
まず月夜の路地を想像しました。
うたでは主体がいる場所を路地とは特定されてなくて、
「路地」は後から「心の路地」として登場するんですが、
それが合わさって、まるで夜の路地を歩いてるように感じました。
そこに登場するラスコーリニコフ。
さて彼はいつのラスコーリニコフなんでしょうか。
ことを起こす前なのか、起こした後なのか。
どちらにしても心に住む人物としては重たい存在ですよね。
普段から、自分の心にはラスコーリニコフが住んでいる
とは主体は意識してなかったと思うんですがどうでしょう。
「ぼんやりと月夜あゆめばラスコーリニコフ」
まるで、ぼんやり歩いているとばったりと古い知人に出会ったような。
なんでここで彼が出て来るんだろう、
と考えて、
きっと自分の「心の路地」にずっと住んでいたんだろう
って思う、みたいな感じじゃないかって思います。
何か重なるところがあったのかも知れません。
さすがに人殺しを厭わないぐらいの独善さが彼と一緒
って程ではないと思いますが。
「月夜」が印象鮮明で、はっと思ううたでした。
ところでこのうた
「ラスコーリニコフ」が三句と四句に跨ってます。
人名を途中で割るのって変な気がするので、
「ラスコーリ」「ニコフ」と分けて読みたくないので、
わたしはここを一気に読んでしまいました。
えーっと、
ここでちょっと遠回りするんですが、
短歌のリズムって
57577ですが、
もうちょっと言うと、
5(+3音の休符)7(+1音の休符)5(+3音の休符)7(+1音の休符)7(+1音の休符)
じゃないかなって思ってます。
あ、これは俳句をそう読むので短歌にも勝手に当てはめてるだけですが。
●●●●●○○○●●●●●●●○●●●●●○○○
●●●●●●●○●●●●●●●○
という感じ。
それにこのうたを当てはめると、
ぼんやりと○○○月夜あゆめば○ラスコーリ○○○ニコフ心の○路地に住むなり○
となるんですが、
前述した通り、人名を割りたくない。
しかもけっこう間に休符を入れて読みたくない。
ということで勝手ではありますが
ぼんやりと○○○月夜あゆめば○ラスコーリニコフ○○○心の○路地に住むなり○
と、句跨りというよりはやや破調で読ませていただいたことを
ここに書いておきます。

音符を入れたうた。
睡さんの
ラブポーション・サーティーワンにかぶりつく 待つのはいつも私ばかりだ
ついこの間も
勢いがあって、明るくて、ピンク色がすき
って書きましたが、
そう、ホントそういうのがすきなんだなぁって
あらためて今思ってます。
「ラブポーション・サーティーワンにかぶりつく」
ってこの勢い、このアイスの色味。
アイスのチョイスいいですよね。
ハートがまぎれてるんですよ。アイスの中に。
恋する女の子のアイスにぴったりって思いました。
「かぶりつく」もいいなって思いました。
待たされてるっていういらだちを、
言葉じゃなくてアイスにぶつけてる感じが
めちゃかわいいなって思いました。
そこから一マス空けの下の句で、
でもやっぱりこういうの辛い
っていう心情がほろっと素直に出ちゃうとこもいいなって思いました。

けらさんの
チロリアンテープの赤い縁取りで少し跳ねてる上履き袋
「チロリアンテープ」!
かわいいですよね。もうそれだけでもかわいい。
しかも「赤い縁取り」の「チロリアンテープ」。
なんてかわいいんだろう。
手作りの上履き袋でしょうか。
そりゃかわいくてうれしくて弾んで跳ねちゃうなって思います。

小川けいとさんの
リュウグウノツカイはいつも目的を達成できず浜で死んでる
「リュウグウノツカイ」って、
そういえばわたしたちの目に触れるときって、
大体死んでしまった後ですよね。
浜というよりはわたし的には水揚げされてしまうイメージでしたが。
昔はこの魚が浜にあがってると、天変地異の前触れとされたとか。
まあ、そんなことはどうでもいいんですが、
この「リュウグウノツカイ」を
「いつも目的を達成できず」と捉えているところが
面白い視点だなって思いました。
「竜宮の使い」ですからね。
何かお使いの目的を持っていたと見るところ、
面白いなって思いました。
もしかしたら、
作者(と断定していいのかわかりませんが)は
なんとなくこの魚の死を自分に当てはめてるのかな
って気もします。
「目的を達成」出来た!って思えることって
あんまりないですし、
なんとなくもやもやっとした気持で見る
リュウグウノツカイの死は、
お使いの不達成であり、何か達成できた気がしない自分の投影かも
とか思ってしまいました。
深読みですいません。

木蓮さんの
君は今笑ってますか ふと白いナンジャモンジャノキを仰ぎ見る
わー「ナンジャモンジャ」!
ってちょっとテンションがあがってしまいました。
わたしナンジャモンジャの花大好きなんです。
満開になると白雲みたいなボリュームで、
ほんと、思わず「仰ぎ見」ちゃいますね。
この雲のような白い花を見てて
古い思い出がふーっと湧き出される感じ、
なんか分かるなぁって思いました。
そして、今も幸せでいてほしいっていう
切なくもやさしい気持になっちゃうなって思いました。

ところで、
こういう長い名詞を、
57577の定型の中にどう組み込むか
って結構難問ですよね。
ジャスト7音の名詞であれば、
とりあえず二句目、四句目、結句のどれかに
ぴたっとはまるかも知れませんが
今回の出詠を改めて見たところ、
結句に置かれてるのが6首。
二句目にジャスト7音で置かれてるのは1首のみ。
なんとなくほほぅと思わされました。
あえてなのかもしれないんですが、
破調にしてあるうたが
結構あった印象。
わたしの感覚で破調、
あるいは破調気味だなって思ったのは
10首ほど。
その中で、ちょっとおっと思ったのが
@aokikenichiさんの
赤丸がスリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ彼の地図帳どこか淋しい
でした。
「スリジャヤワルダナプラコッテ」って、
覚えるときについ、
「スリジャヤ」「ワルダナ」「プラコッテ」
って切ってしまいますが、
本当はこのうたの通り
「スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ」
中黒を付けなかったら、
多分、定型に当てはめて読んでしまうところですが、
これを敢えて定型を崩しても、正しく切れるところに中黒を置かれた
っていう姿勢、この都市への敬意が感じられていいなって思いました。

うたの日(3月6日「第」)


3月6日のうたの日は「留」「手紙」「旧」「第」でした。

「第」
傷つけるつもりは毛頭ありません第一これは絹ごし豆腐(しま・しましま)

ハートを入れたうた。
ホシキョウイチさんの
受かったと第一報のメールくる来年次女かと気を引き締める
長女さんの受験の合格を知らされたシーンでしょうか。
初句に
「受かった」
っていう言葉がいきなり来るところがいいなって思いました。
もう初句から嬉しい感じ。
「第一報」だから短いんでしょうね。
メールの向こう側のお子さんの嬉しさまで伝わってくる感じします。
で、そこからもう
「来年次女かと気を引き締める」と、
ぐっと次へと気持を持って行くところが、
年子の親って感じ。
受験って受ける本人もですが、
親も大変なんですよね。色々と。
うたの日にも書いたんですが、
「メールくる」「引き締める」と終止形を並べる形式は
ちょっと流れが悪く感じるかなとも思ったんですが、
親としての正直な二つの気持がいいなって思いました。

音符を入れたうた。
もたろさんの
車窓から次第に小さくなる君が大きくなって僕からあふれた
「次第に小さくなる君が大きくなって」
っていう矛盾した言葉が、
「僕からあふれた」で、
あーそういう感じか!
って分かるというしかけが面白いうたって思いました。
目に見える「君」はどんどん小さくなっていくのに、
反比例して「僕」の心の中の「君」は
どんどん大きくなって、心からついにあふれてしまう。
あふれた分はきっと涙だったり声だったり、
そんな感じなんだろうなって思います。
「車窓」という言葉もあるので、
駅での別離の情景かなって思います。
こういうシーンってよくあるっていえばあるんですが、
割と残される側からの切なさが詠まれ勝ちって気がします。
でも、このうたは、
主体の方が電車に乗ってるように思えるんですよね。
そうか、そういう切り口もあるなぁって思って、
ほほぅって唸ったりしました。
一つだけ気になったのは、
「車窓から」の「から」の部分。
ここの「から」で、
わたしは主体が電車の中、「君」がホームにいる
と思ったんですが、
それにしても、なんとなく「から」に続く言葉が
見当たらなくて落ち着かない感じ。
なので、
もしかしたら
車窓の内側にいるのは「君」の方なのかな
とも思ったりするんですが、
「車窓から次第に小さくなる君」
って想像しますと、
車窓の大きさは変わらずに、君だけが小さくなってるみたいで、
それはどう考えてもおかしいだろう
となると、
やっぱりちょっと省略部分が多すぎる気はするけど、
「車窓から(見ていると)次第に小さくなる君」
みたいな感じなのかなぁ……うーん。

宮本背水さんの
バス停で歓喜の歌をささやけばやがて合唱となる春の日
このうた、すごくすごーくステキだなって思いました。
厳密に言うと別の歌かも知れませんが、
ゴスペルソングの「ジョイフルジョイフル」とかも想像しちゃいました。
バスを待ちながら、
なんとなく気持が高揚して
「歓喜の歌」を小さな声で口ずさんでいたら
それがどんどん広がっていって大きな合唱になった、と。
この合唱って、フラッシュモブ的なそういうホントの合唱でも
ドラマチックでステキだなって思うんですが、
わたしはイメージとしての合唱って読みました。
「歓喜の歌」をつい口ずさんでしまったのは、
小さな春の気配に気がついて、
なんだか嬉しくなってなんだろうなって思って、
最初は主体の中だけにあった春の歓びが、
どんどん回りも歌にしていって、
めくるめく春が始まった、みたいな。
うーん、言ってる意味が分かるでしょうか。
ファンタジックな春の始まりを映像的に表現されてるような
そんな感じがしました。
「歓喜の歌」ですし。
バス停っていう世界の片隅から、
空に、木に、丘にって広がっていくような……。
下の句が句跨りになってて、
ちょっとがたついてるのが残念ですが、
それ以外は本当にステキだなぁって思いました。
ただ、
「第」の題詠として考えた時に、
「歓喜の歌」←「第九」←「第」
っていうのは、やや弱いんじゃないかな
って思ってハートが付けられませんでした。
「第」のテーマ詠じゃなくて「第九」のテーマ詠になっちゃいますし。
でも、これが自由詠だったら、
あるいは中に詠みこまれてる他の言葉の題詠だったら
絶対ハートだったなぁってぐらいステキなうたでした。

七緒さんの
第三種接近遭遇めいめいの母船のことを教えてほしい
「第三種接近遭遇」、いわゆる「未知との遭遇」ってやつですね。
「第」って題詠、すごく難しいなぁ
って思ってたんですが、
他の人のうたを詠んでて、こんなにバラエティに富むんだ!
って思ってただただすごいなぁって思いました。
このうたなんてSFですよ。
面白いですよね。
もしも他の星の生命体に出会ったとして、
どんなことをまず聞きたいだろうって思った時に、
「母船」について聞くって!
この質問者も何か宇宙船開発とかに携わってる科学者とか
エンジニアとかそういう人なのかなって
想像が膨らみました。
しかも
「めいめいの母船」
なので、
複数の異星人がいて、
それぞれが別の母船を持ってるらしいってことですよね。
まあ、ここまで突っ込んだ話になってるってことは、
第三種接近遭遇というよりは、第五種まで進んでると思われるんですが、
とにかく面白いうたでした。

ツイッターで遊んだものその2


ツイッターで遊んだものその2は
八音以上のお題を下さい
とお願いして、
それに集まったお題で詠んだ短歌(と俳句)。

そういえば、
以前にも同じお願いをしてお題を集めたことがあったんですが、
こっちには転載してなかったんだなぁ。
長さを規定しないお題募集の方は転載してたのに。


「映画鑑賞会」(中牧正太さんから)
鳥帰る映画鑑賞会もせず
ぼくたちの映画鑑賞会笑つても泣いてもよいが立つてはならぬ

「苺狩り農園」(木蓮さんから)
苺狩り農園に出てしまひけり
苺狩り農園行きのバスが出てしまつたあとのバス停しづか

「プロジェクションマッピング」(小川けいとさんから)
啓蟄のまづプロジェクションマッピングより
プロジェクションマッピングなほいきいきと死せるものらを動かしてをり

「道路交通法」(ねんさんから)
風光る道路交通法教本
見通しのよい交差点 道路交通法を最初にやぶつた場所はここです

「ルーブゴールドバーグマシン」(那須ジョンさんから)
ルーブゴールドバーグマシン式つちふれり
ルーブゴールドバーグマシンの作動して三日で沈むスワンボートは

「ふるさと納税」(ナタカさんから)
梅ふふむふるさと納税しなくても
野良猫の立ち止りては振り返るふるさと納税こちらへどうぞ

「デイビッド・カッパーフィールド」(貝澤駿一さんから)
デイビッド・カッパーフィールド田螺鳴く
デイビッド・カッパーフィールドあざやかに自由の女神の自由を消しぬ

「ストラディバリウス」(荻森美帆さんから)
ストラディバリウスに振向き恋の猫
目隠しでストラディバリウス聞き分けるきみが知らない恋猫の声

「コンプライアンス」(須磨蛍さんから)
コンプライアンス薔薇の芽の紅に雨
誰にでもうすくいい顔 コン プライ アンス コップの氷は回る

「ブラジルプリマベーラ」(ゆらさんから)
薔薇の芽にブラジルプリマベーラの香
カフェオレの色に大地へ日の射してブラジルプリマベーラ農園の朝

「第五輪荷重」(あおくまさんから)
第五輪荷重野焼の火の軋む
馬車馬は気にせぬだらう第五輪 荷重かかれば上ぐる悲鳴も

「ンゴロンゴロ保全地域」(楢原もかさんから)
ンゴロンゴロ保全地域も春の月
ンゴロンゴロ保全地域に吹く風にはつかにまぎる散らし寿司の香

「証券新聞」(井筒ふみさんから)
茂吉忌の日付証券新聞に
コンビニのゴミ箱に突つ込まれてゐる証券新聞(はみだすエッジ)

「濃厚接触者」(かっちゃんさんから)
春の風邪互ひに濃厚接触者
該当患者の濃厚接触者として幾度もポチの名前挙がりぬ

「サウザンアイランドドレッシング」(塾カレーさんから)
サウザンアイランドドレッシング色春あけぼの
三月のはじまるサウザンアイランドドレッシングのうすもも垂らし

「巨大建造物」(気球さんから)
獺祭り(うそまつり)巨大建造物の陰
巨大建造物建売祭の会場でサクラ家族がすするラーメン

「バッティングセンター」(えんどうけいこさんから)
バッティングセンター裏の蕗のたう
バッティングセンターで飲むコカコーラ特別なんて誰にでもある

「イリオモテオオヤマネコ」(知己 凛さんから)
いりおもておほやまねこへ朧立つ
にやにやと影のみあをくイリオモテオホヤマネコの見下ろし笑ふ

「大山隠岐国立公園」(笠和ささねさんから)
大山隠岐国立公園日脚伸ぶ
大山隠岐国立公園全きに大陸の砂いつまでも降る

「ワンルームディスコ」(長月優さんから)
ワンルームディスコなんにもない部屋でミラーボールのやうなプライド

「アンダーグラウンド」(未衣さんから)
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドねえどうしてもバナナを明るくゑがいてしまふ

ツイッターで遊んだものまとめ1


転載しておかないと忘れそうなので、
この間ツイッターで遊んでいたものを。

#1ふぁぼごとに存在しない句集の106ページ左端の句を書く
というハッシュタグ。
面白そう!って思ってやってみたんですが、
これが思った以上に楽しかった。
句集タイトルを付けるのが意外に難しくて、
なんとかタイトルをつけたら、
今度はその句集の表題作も詠んでみたくなって、
15の句集の106ページを書いたあと、
その句集の表題作を書く、に勝手に移行しちゃいました。


雛納めきみの釦をまぎれさす (106ページ左端)
ジャパニーズディライトさくらふぶきけり (表題作)
「ジャパニーズディライト」


イメージとしては十代後半の女の子の句集。
季語は「雛納め」(雛人形を片付けること)「さくら」。
ちなみに「ジャパニーズディライト」は、
ナルニア国物語に出て来るお菓子「ターキッシュディライト」から
思いつきました。日本の歓び、みたいな。

トランクス少年立たす春の海 (106ページ左端)
鎮魂感かすかに海水パンツかな (表題作)
「鎮魂感」


最初に句を作ったときはそこまでやりすぎる気は全然なかったんですが、
タイトルを「鎮魂感」としてしまったせいで、
暴走した感ありますね。
面白かったからいいんですが。
季語は「春の海」「海水パンツ」。

つぎつぎと雲を吐き出す辛夷かな (106ページ左端)
旅鞄ひとつまとめて夕焼けぬ (表題作)
「旅鞄ひとつ」


これは割と落ち着いた俳句を書かれる方の句集、
みたいなイメージ。女性の作品という感じで。
季語は「辛夷」「夕焼け」。
ちなみに「夕焼け」は夏の季語となっております。

泳ぐたびあふりか遠くなりにけり (106ページ左端)
もう半分過ぎてしまひぬ走馬灯 (表題作)
「もう半分」


割と自分、というかしま・しましまに近い句集ぽい。
タイトルの付け方も。
季語は「泳ぐ」「走馬灯」。
泳ぐはいいとして、走馬灯って季語なのかよ!
ってなりますが、
よく「これまでの人生が走馬灯のように」とかいいますけども、
本物の走馬灯は、回り灯籠のこと。
えっ回り灯籠ってお盆とかに飾るやつじゃない?
だったら秋の季語?
って思ったりするんですが、
どうも夏の夜の遊びみたいなものだったらしくて夏の季語となってます。

是非もなく飲み屋に集ふ雛の夜 (106ページ左端)
海近き町なれば驟雨も潮の匂ふ (表題作)
「驟雨集」


30代男性ぐらいを想定した挽歌を軸にした句集、
みたいなイメージ。
季語は「雛の夜」「驟雨(しゅうう)」。

夕顔のよこに氷の届きたる (106ページ左端)
スナックパブよしえのママの焚火顔 (表題作)
「スナックパブよしえ」


わたし自身、しま・しましまというよりももうちょっとわたしに近い感じ。
「スナックパブ」ってなんだよ
「パブスナック」だろ、普通。
って思うでしょ。実際に素で間違えてそう店名に入れてたママがいたんですよ。
季語は「夕顔」「焚火」ですが、
「焚火顔」とか勝手に作っちゃった。

「人生は一度きり」暗転 春の闇 (106ページ左端)
むかしむかしイタリアの木の人形に月おぼろ (表題作)
「ピノキオ句集」


これは今回新たに作ったものじゃなくて、
以前ネプリで出した「ピノキオ句」から。
なので、句集としては存在しないけど、すでに存在する句だったりします。
季語は「春の闇」「月おぼろ」。
「人生は一度きり」ってセリフは、
ディズニーの「ピノキオ」の中で、
遊園地でピノキオと一緒に悪さしてた悪童のセリフ。

林檎剥く真つ赤な舌でありにけり (106ページ左端)
スヰートピー誰へともなくしづくする
「しづくする」


これは二十代前半ぐらいの女性をイメージ。
「林檎」「スイートピー」が季語。

菓子鉢のルマンド順に割りて春 (106ページ左端)
蓑虫のまだ薔薇の木に夢を見て (表題作)
「薔薇の木に」


全体的にごちゃっとした感じの句集、
みたいなイメージを持ってます。
季語は「春」「蓑虫」。
花としての「薔薇」や、「薔薇の芽」は季語だけど、
この句では「薔薇の木」だからセーフセーフ。

寒林に弾き出されてしまひけり (106ページ左端)
(交はした会話が風に取られてかんばせ岬に集まつてくるといふ)
もう一度聞きたく岬の先のさき (表題作)
「かんばせ岬」


この句集もタイトルに造語を持って来て、
そこから楽しくなっちゃったもの。
「かんばせ岬」の「かんばせ」は
顔じゃなくてカンバセーションの「かんばせ」だったり。
前書きも付けるタイプみたいなのも
面白いかな
っていうか前書きないと通じないかもって思いました。
季語は「寒林」と、無季。
無季俳句も混ぜたかったんですよね。
喪失感みたいなものを軸にした句集とか
そういうイメージの句集でした。

啓蟄やトイレットペーパー最後まで白 (106ページ左端)
夏休み後半食べられないパンばかり (表題作)
「食べられないパン」


これもわりと自分が入ってるかなぁ。
ゆるい定型感で詠む伝統俳句みたいな。
季語は「啓蟄」「夏休み」。

塩袋に背骨のごとく秋の匙 (106ページ左端)
戻らぬと決めて桜の三分咲 (表題作)
わたくしへ桜咲く散る覆水祭 (表題作)
「覆水祭」


タイトルの「覆水祭」は造語。
覆水盆に返らず、の覆水です。
こぼれた水のことね。
離婚を決意した女性を想定して、
それを軸に編んだ句集みたいな感じ。
表題作が二つなのは、
「覆水祭」を詠みこんだ句一つだと、
ちょっと独立してなかったかな、と思ったからでした。
季語は「秋」「桜」。
「秋の○○」みたいな使い方、
本当は微妙にNGだったりしますが、
こういうのも入れてみたかった。

残雪のただひたすらに光りゐる (106ページ左端)
美作の三鬼の梅を見に行かむ (表題作)
「美作行」


岡山県美作市での旅吟をあつめた句集
みたいなイメージ。
「みまさか」って語感がすごく素適じゃないですか?
ちょうどこのくらいの季節に美作へ旅行へ行った感じで。
ちなみに、
「三鬼の梅」ですが、
ふるさとの美作の梅熟れにけむ(西東三鬼)
を下敷きにしました。
三鬼の「梅」は実梅の方なんですが、
この句集の表題作はあえての花梅と思って欲しいところです。

秋暑しレゴ基礎板の踏めば割れ (106ページ左端)
勇魚釣り冬の星座を欲しいまま (表題作)
「勇魚釣り」


ちょいちょい自分が登場しますが、
これもどちらかと言えばわたしの句ですね。
というか、勇魚釣りの方は、しま・しましまのツイッターで
過去に流したことのあるやつですし。
季語は「秋暑し」「勇魚(いさな)」。
「勇魚」っていうのは鯨のことです。蛇足ながら。

平成の次は相生明易し (106ページ左端)
ドドドドッピオの谺の戻る去年今年 (表題作)
「日常」


これは、あらゐけいいちの漫画「日常」の二次創作的なやつ。
ピノキオ句集と同じような感じですね。
季語は「明易し(あけやすし)」「去年今年(こぞことし)」。
あんまりなじみのない言葉かなって思うので補足しておきますが、
「明易し」は、夏の夜が短くてすぐに明けてしまう、というもの。
「去年今年」は、去年&今年のことではなくて、
大晦日の夜、去年と今年が入れ替わる時のことです。


黄砂降るわけても砂丘の駱駝らへ (106ページ左端)
「どうぶつ年鑑」

ジェイコブズラダーへ豆の蔓のぼる (106ページ左端)
「迷子札」

あたたかやしかけ絵本から指も出て (106ページ左端)
「こつんこん」


これらは15の句集を往復しおわったあとの、
ロスタイム(って今は言わないんでしたっけ?)みたいなもの。
「黄砂降る」「あたたか」が無理のない季語ですね。
「豆の蔓」は超アヤシイ季語。
というか、認定されないかも。
一応「のぼる」って付けたので、
大体季節感は出てるんじゃないかと思いますが。
で、この句の「ジェイコブズラダー」はアレのことです。
日本語にすると「ヤコブの梯子」。
「天使の梯子」とか「日矢」とか「薄明光線」とか言いますが、
雲の間から光が漏れて地上に一条の光が射してるヤツのことです。

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