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しま・しましま

Author:しま・しましま
こんにちは
しま・しましまです。
2014年冬から短歌を始めました。
主にうたの日とツイッターで短歌をしてます。
コメントとかすごくよろこびます。

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翻訳小説短歌(連作)その2


「モンマルトル・オルシャン通り七五番地の2」

-・・・・-・---・・・・-・--
人生がふいにどこかで区切られるそれまでの壁それからの壁
・・・・・・-・・・-・・---

誰であれ甲状腺狭窄壁の螺旋状硬化症、それは夢の病名
ささやかな心変わりを変身と呼べばオオカミ男の遠吠え
抜け出して行きたいどこかを得るというそれはたしかに恋うということ
慰みのうたが聞こえてくる 眠れオオカミ男もその恋人も
さみどりのモンマルトルに今もなお男は壁を抜けきれぬという

マルセル・エイメ「壁抜け男」
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翻訳小説短歌(連作)その1


「熊」

おとぎ話に熊は不可欠おとぎ話のような人生ならばなおさら
ステイト・オ・メイン サイドカー付きのオートバイ付きの黒い熊
それもまた夢の足しにはなっただろう わずかばかりの哀しい芸も
全て持って行くのは無理でぼくたちはきっと最初に熊を手放す
あるいは撫でていた熊がソロー(悲しみ)にすり替えられると分る
「熊をやったぞ」「熊を一頭やったぞ」かくて熊と共に序章の終り
お別れはいつも後から知らされてキャンディストアのべとべとの床
お嬢さんがらららでうたを歌うとき低く流れる熊のハミング
優しいだけじゃ生きていけないバッターボックス遠く離れて振り抜くバット
あの熊もあれから森を出たろうか、輝く真珠のピアス探しに
人生はおとぎ話というのならおとぎ話に熊は不可欠


ジョン・アーヴィング「ホテル・ニューハンプシャー」

ツイッターで遊んだものその3


ツイッターでお題を募集して詠みました。
今回は題の音数制限なしで、
自身も短歌に詠んだ事がある言葉、とさせてもらいました。
基本的にはお題のフレーズ詠み込みで全部やりたかったんですが、
いくつかはテーマ詠になってしまったこと、
ちょっと残念でしたが、
やっぱり思いがけない言葉が飛び出してきて楽しかったですね。

「路線図」
地図を這うバスの路線図きみんちをみんなが忘れたわけじゃないけど
まず一つ目のこの「路線図」でいきなりうーんと唸らされてしまいました。
わたしの生活圏内に無いわけじゃないけど、電車とかバスとかめったに使わないので。

「助手席」
助手席のシートベルトになりたいよ君はいつでも飛び立った後
「助手席」ってもうすでに何か固定イメージが付きまとう言葉だなぁ
って、詠みかけて気がつきました。

「蝋燭」
捨て方は単純でいい 蝋燭はどこでも燃えるゴミになります
「蝋燭」、ろうそくも意外に苦戦しました。
ろうそく自体はなんどか詠んでるはずなんですが。

「キューバリブレ」
ライムジュース絞る手つきのあやうさにキューバ・リブレの傾いてゆく
このお題は自分の中からは多分ぜったいに出て来ないだろうなぁ
って思って楽しく詠みました。

「ディズニー」
ディズニーのダンボの色を水色と言ったあなたの明るい憂い
「ディズニー」めっちゃ悩みました。めちゃ難しかったですね。
TDRにも行った事がないし、どうしようってなりました。

「桃」
あんなにもやさしく触れたはずだった指の形に傷む白桃
「桃」は俳句でも短歌でも好きなモチーフ。
桃、いいですよね。桃。

「日本海」
日が射せば明るい筈だふるさとに貼り付いているこの海だって
このお題は色々考えたんですが、
テーマ詠になりました。
いやー、「日本海」って言葉入れるととたんに演歌チックに思えちゃうんですよね。

「鬼」
鬼が島が見えたあたりで桃太郎も大きな焚火を囲んだはずだ
最終決戦前夜、みんなで焚火を囲んで過去話とかしちゃう
みたいなイメージないですか?
ファイナルファンタジー10に毒されてます?

「フェールラーベンカンケンバッグ」
空っぽを背負ってあるくフェールラーベンカンケンバッグと知らない町を
「フェールラーベン」っていうブランドの「カンケンバッグ」。
北欧の小学生が通学かばんとして使ってるリュックらしいですね。

「酢酸カーミン」
握り込んで誰にも見られていないはず酢酸カーミンで染めた指先
はて……って一瞬思ったんですが、
「さくさんかーみん」って口に出してみたら遠い記憶がうっすら甦ってきました。

「横取る」
犬のえさ横取りしてくカラスらの戦うためには出来てない爪
「横取る」と「横取り」は微妙に違うんではないか……と、思いつつ、
「横取る」でうまく言葉を紡ぐ事が出来ませんでした。うーん。

「プラネタリウム」
ナレーションオフして欲しいぼくたちがそれぞれの星で眠れるように
これもテーマ詠。
プラネタリウムはいいですよね。たまに行きたくなる施設です。

「毒」
毒殺は女の仕事 毎日が未遂であるという可能性
ちょっとだけブラック仕様にしました。

「遠雷」
つばひろの帽子が隠す眉のかたち 遠雷 ぼくは笑っていいの?
「遠雷」、このお題は「ディズニー」とツートップの難しさでした。
俳句では使いやすいんですけどね。
そもそもすでに「遠雷」に色々なものが詰ってて、
何を付け足しても蛇足っぽく思えてしまって
どう組み込めばいいんだろうってなっちゃいました。

「パイプ椅子」
パイプ椅子のぬるき座面に鼻白みつつゆるやかな群れに混じりぬ
今回詠んだ中で、けっこう自分で気に入ったうたになりました。
うっすら居心地悪い感じを
ぬめっとしたリズムで詠めたかなぁって。

ゾンビ連作

しばらく前に、テレビドラマの「ウォーキングデッド」にドハマリして、
その興奮のまま、ゾンビ連作編みたい!
と、だだっと20首連作を作りました。
誰かこれを読んで忌憚のない感想をお願いしますってお願いしたら、
三人の方が手をあげてくださって、
そこからまた少しだけ手を加えたのがこの連作になりました。
その後で一度ツイッターに上げてみたんですが、
イマイチ反応もうすかったんで
あんまり興味を引かなかったんだなぁってこっそり取り下げてたんですが、
喉もと過ぎればなんとかってやつでこんどはこっちに。


「ね、このトイレまだ水流れるよってそんなことも小さくはない幸せになる」
しま・しましま

死んだら人はみんなゾンビになるというながいながい夢のようなドラマ
を、見てた俺に死角はなかったといったあなたがまず死ぬリアル
音漏れのイヤフォン 静かに暮らすって最初の準備が大切なのね
生前は近視だったというひとの今はどれだけ見えてるだろう
左手を落しましたよお嬢さん、なんて窓から呟いてみる
おもかげは余りないけどあのひとがわたしの好きな人だったひと
頑張りすぎるところがあったね今もそうフェンスに何度もぶつかっていく
正午からしずかに雨が降りはじめ小道でゆれる死人を濡らす
倍速で朽ちていくんだ肉体も、ゆっくり育ってきたこの町も
群のなかの順位のつかない場所にいてこうもり傘にもたれて眠る
R-15 R-15と呟いて慣れてしまえばかれらは脆い
重そうに日めくりがぶらさがっている二月五日を血でそめたまま
どんな未来があるとしたって絶対に夏場のゾンビタウンは匂う
山茶花があかく地面を染めているここも誰かのたたかいの跡
かたまってゆっくり歩く わたしたちもゾンビもそれは同じに見える
蟻たちが胴上げみたいに運んでく死んだ蝶、死んだ蝿、死んだ蟻
もう誰もやけどを怖がったりしない だから(だけど)大きな火を焚く
人だったものの頭がころがって地球は丸いしわたしは生きる
意外にもわたしが生きていることもあなたは笑ってくれないだろう
でも信じられる?終わってく世界で親知らずなんか生えてきている

ツイッターで遊んだものその2


ツイッターで遊んだものその2は
八音以上のお題を下さい
とお願いして、
それに集まったお題で詠んだ短歌(と俳句)。

そういえば、
以前にも同じお願いをしてお題を集めたことがあったんですが、
こっちには転載してなかったんだなぁ。
長さを規定しないお題募集の方は転載してたのに。


「映画鑑賞会」(中牧正太さんから)
鳥帰る映画鑑賞会もせず
ぼくたちの映画鑑賞会笑つても泣いてもよいが立つてはならぬ

「苺狩り農園」(木蓮さんから)
苺狩り農園に出てしまひけり
苺狩り農園行きのバスが出てしまつたあとのバス停しづか

「プロジェクションマッピング」(小川けいとさんから)
啓蟄のまづプロジェクションマッピングより
プロジェクションマッピングなほいきいきと死せるものらを動かしてをり

「道路交通法」(ねんさんから)
風光る道路交通法教本
見通しのよい交差点 道路交通法を最初にやぶつた場所はここです

「ルーブゴールドバーグマシン」(那須ジョンさんから)
ルーブゴールドバーグマシン式つちふれり
ルーブゴールドバーグマシンの作動して三日で沈むスワンボートは

「ふるさと納税」(ナタカさんから)
梅ふふむふるさと納税しなくても
野良猫の立ち止りては振り返るふるさと納税こちらへどうぞ

「デイビッド・カッパーフィールド」(貝澤駿一さんから)
デイビッド・カッパーフィールド田螺鳴く
デイビッド・カッパーフィールドあざやかに自由の女神の自由を消しぬ

「ストラディバリウス」(荻森美帆さんから)
ストラディバリウスに振向き恋の猫
目隠しでストラディバリウス聞き分けるきみが知らない恋猫の声

「コンプライアンス」(須磨蛍さんから)
コンプライアンス薔薇の芽の紅に雨
誰にでもうすくいい顔 コン プライ アンス コップの氷は回る

「ブラジルプリマベーラ」(ゆらさんから)
薔薇の芽にブラジルプリマベーラの香
カフェオレの色に大地へ日の射してブラジルプリマベーラ農園の朝

「第五輪荷重」(あおくまさんから)
第五輪荷重野焼の火の軋む
馬車馬は気にせぬだらう第五輪 荷重かかれば上ぐる悲鳴も

「ンゴロンゴロ保全地域」(楢原もかさんから)
ンゴロンゴロ保全地域も春の月
ンゴロンゴロ保全地域に吹く風にはつかにまぎる散らし寿司の香

「証券新聞」(井筒ふみさんから)
茂吉忌の日付証券新聞に
コンビニのゴミ箱に突つ込まれてゐる証券新聞(はみだすエッジ)

「濃厚接触者」(かっちゃんさんから)
春の風邪互ひに濃厚接触者
該当患者の濃厚接触者として幾度もポチの名前挙がりぬ

「サウザンアイランドドレッシング」(塾カレーさんから)
サウザンアイランドドレッシング色春あけぼの
三月のはじまるサウザンアイランドドレッシングのうすもも垂らし

「巨大建造物」(気球さんから)
獺祭り(うそまつり)巨大建造物の陰
巨大建造物建売祭の会場でサクラ家族がすするラーメン

「バッティングセンター」(えんどうけいこさんから)
バッティングセンター裏の蕗のたう
バッティングセンターで飲むコカコーラ特別なんて誰にでもある

「イリオモテオオヤマネコ」(知己 凛さんから)
いりおもておほやまねこへ朧立つ
にやにやと影のみあをくイリオモテオホヤマネコの見下ろし笑ふ

「大山隠岐国立公園」(笠和ささねさんから)
大山隠岐国立公園日脚伸ぶ
大山隠岐国立公園全きに大陸の砂いつまでも降る

「ワンルームディスコ」(長月優さんから)
ワンルームディスコなんにもない部屋でミラーボールのやうなプライド

「アンダーグラウンド」(未衣さんから)
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドねえどうしてもバナナを明るくゑがいてしまふ

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